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問題の大きさはタイミング次第

国レベルにしろ、個人レベルにしろ、何かしでかした場合にそれが問題になるか否かは多分にそれが行われたタイミングに依存する。

中国の聖火リレーとチベット問題などは、まさにそう。
チベット問題がなければ聖火は普通に世界を回り中国を宣伝したであろう。

しかし、チベット問題が聖火リレー実施前に大きくなり、挙句には、この問題が聖火とともに全世界を巡ることになってしまった。
とんだ伴走者である。

中国にとってはたまったものではない。
自国のイメージアップの場だったはずが、非難の場になってしまったのだから。

この絶妙なタイミングはチベット側が狙ったのではないかと思われる。

チベットは中国政府、中国全体からみたら非常に小さな力しか持っていない。ちょっとやそっと頑張って行動しても、その声は掻き消されてしまう。
故に、弱い者、持たざる者は、タイミングを図って行動することが、非常に重要になる。


一方、似たようなことは日本でも起きている。
日銀総裁が決まらず、道路特定財源でも思うようにいかないと福田総理が嘆くのも、一個人として自宅で嘆くのなら分からぬではない。
過去、衆参両議院を与党で占めていれば起きえなかった悩みなのであろうから。単に総理になったタイミングが悪かったと言うことはできる。

逆に野党の民主党にとってはやっと巡ってきた好タイミングだ。

福田総理は、参議院に対してなのか民主党に対してなのか分からないが、「権力の乱用だ」とのたまってしまった。

なかなか思い切ったことを言ったものだ。

参議院が議決することのどこが権力の乱用なのだろうか。

自民党の何でも思い通りに行く時代が長過ぎたことを象徴する発言だろう。
自分より弱い、力が無い者と思っていた者が、対等に近い力を持っただけなのに。

秋の参議院選挙で与野党逆転を実現したが、衆議院の絶対多数の壁は厚く半年かかってようやく崩す契機を掴んだのだから民主党がこの機を逃してはならない。
国会を翼賛政治の場ではなく、議論の場にするためにも(そういう意味では、解散総選挙で民主党が絶対多数を得るのも困りものと思う)。

福田総理の嘆きは個人の心情としてはわかる、わかるが、それをマスコミに、国民に公人の立場で聞かせてはいけない。

衆議院と参議院は二つで一つの国会なのだから決定が異なることがあるのは、仕掛け上、当然だ。
どうしても立ち行かなくなった場合、それを打破するために一方の議院である衆議院に解散があるのではないか。

解散して再度三分の二の議席を獲得すればよいではないか。そうなれば法を変えて日銀総裁決定も衆議院の優越を認めるようにしようというような血迷ったとしか思えない話を出すこともなく正当性を主張することができる。

それができないなら、財務省出身者ではない者の候補を立てるしかない。意図的に曲解されている気もするが、財務省出身者であるとその時点でノーだと言っているのは、民主党ではなく、参議院なのだ。
なぜなら、ねじれ国会の前にこのような反対を民主党がしても鼻もひっかけなかっただろう。
参議院がノーと言っているから困っているのだ。
参議院という国会の片割れがノーと言っているのだから、内閣は正面を向いて応えるべきだ。
内閣は国会に対し説明責任を有する。
国会は議論の場だ。財務省出身者でなければならない理由を内閣が説明し、参議院を納得させ了承を取り付ければ良いだけである。
それを、「なぜ財務省出身者ではダメなのか」と参議院に逆質問するのはいただけない。

財務省出身者以外には適任者は一人もいないことを福田総理が参議院に示せればそれだけで済むのだが。悪魔の証明だから無理だけれど。

4月10日の民主党の小沢幹事長との党首討論についても同じ。
野党の質問を受ける立場のはずの福田総理が逆質問し、小沢氏をあきれさせている。

これらについて分かるのは、福田総理は既に内閣の運営方針について自分で説明できなくなっているということだ。
だから自分に説明責任があるはずなのに相手に逆質問することで時間切れを狙うしかなくなっている。

しかし、良く考えてみると、この人が説明責任を果たさないというのは今に始まったことではなかった。小泉政権における官房長時代はおとぼけで有名だったではないか。
記者会見で当意即妙な受け答えとか言われたりしてたような。

しかし、今わかったのは、あれは当意即妙な受け答えなのではなく、それが唯一の持ち芸だったということだ。

その唯一の持ち芸、おとぼけ芸では、ねじれ国会はやり過ごせなかったというだけのことだろう。
でも、国会はそもそも議論の場なのだから。

おとぼけ芸で生きていけた時がたまたまタイミングが良かっただけのこと。

どちらかというと、今が本来の国会の姿ではないだろうか。

それを総理大臣が嘆くとは。

今まで自身の権力の乱用期間が長過ぎて他者の正当な行動に、こともあろうに権力の乱用と非難するとは。

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