黒船は現れる側はタイミングを選べるが迎える側は選べない。
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五輪=日本水連が北京代表の水着自由化、スピード社製を解禁
ロイター [6/11 6:39]
6月10日、日本水泳連盟、北京五輪の日本代表が着用する水着について、どのメーカーの製品でも選手が自由に選択できることに決めたと発表。
[東京 10日 ロイター] 日本水泳連盟は10日、北京五輪の日本代表が着用する水着について、どのメーカーの製品でも選手が自由に選択できることに決めたと発表した。
これにより、代表選手は、先週末のジャパン・オープンでの相次ぐ日本新記録で注目された英スピード社製水着「レーザー・レーサー」を北京で着ることが可能になった。
日本水連の林利博会長は、記者会見で「北京五輪で最高の成果を挙げるため、代表選手1人1人が北京では希望する水着を選べる、いわゆるオープン化することに決定した」と述べた。
五輪代表選手は日本水連が水着提供契約を結んでいるミズノ、デサント、アシックスの国内3社の水着を着ることになっていたが、
海外でスピード社製水着を着用した選手が世界新を相次いで樹立したほか、今月6─8日に行われたジャパン・オープンで出た17個の日本新記録のうち16個がスピード社製水着を着た選手によるもので、選手やコーチから水着の自由化を望む声が高まっていた。
上野広治競泳委員長は「選手がこれだけ望んでいるものを連盟が門戸を開いた。自分の後悔のないような水着を選択できるのはベストな状況」と説明した。また「自由選択するということなので、終わった後に水着のことで(選手に)言い訳をさせません」と語気を強めた。
<メーカーとの個人契約や所属の問題>
しかし、国内メーカーに所属していたり、メーカーと個人契約を交わしている選手の中には、スピード社製水着を選択することが難しいケースも想定される。日本水連の佐野和夫専務理事は、今回の決定については「国内3社から全面的に賛成してもらった」としたうえで、「個人と会社の契約なので最初から水連が入っていくことはできないし、そういう意図もない。個人的に解決してもらうのが第一」と述べた。また、上野委員長は「各選手には担当のコーチがいるので、コーチが間に入るべきだ」と主張した。
競泳界のエース、北島康介はジャパン・オープン開催中にスピード社製水着を着用し、世界新1個を含む日本新記録3個を樹立。200メートル平泳ぎでは従来の記録を一気に0秒99縮める世界新をマークし、「水着もそれなりにいい役割を果たしてくれている」と認めた。
北島はミズノと水着の個人契約をしており、今後はミズノとの交渉になるが、ミズノは日本水連の発表後、「北島選手が最終的に他社の水着を選択した場合は違約金はなしで許容する」(広報担当者)との見解を示した。ミズノに所属するバタフライと自由形の松田丈志や背泳ぎの中野高についても「他社の水着を選択しても違約金やペナルティーはない」(広報担当者)としている。
国内3社はそれぞれコメントを出し、日本水連の決定を受け入れる姿勢を示した。日本水連によると、3社との契約は国際大会派遣の場合の物品提供で、今回の決定で日本水連からの違約金は発生しない。上野委員長は「今後も3社は北京に向けて水着の改良、改善に取り組む見通し」と語った。
日本水連によると、今回の「水着のオープン化」は北京五輪にのみ適用されるもので、その後の扱いについては「状況に応じていろいろ検討していく」(佐野専務理事)。
上野委員長は「選手を練習に集中させるため、水着の件をこの会見で区切りとさせてほしい」と過熱する水着報道の沈静化に向け、報道陣の協力を求めた。ただ、「各選手がどの水着を着るかは五輪の試合当日に決めてもらえばいいと思うし、決まらない」(上野委員長)という状況では、水着騒動も8月まで引きずりそうだ。
(ロイター日本語ニュース 大林優香記者)
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オリンピックにアマチュアの精神はもう無い。
あるべきだというのではなく、事実として無い。
その中で選手、スポーツ用品メーカー、日本水連はどう振る舞うべきかが、今回問われている。
オリンピック直前の「それを着れば記録が出てしまう水着」の登場は「水着の黒船」だ。
対応も慌て振りが見て取れる。
上野広治競泳委員長は「選手がこれだけ望んでいるものを連盟が門戸を開いた」なんて言っている。まるで連盟が救世主かのようだ。
実態は逆。
今まで連盟が特定メーカーとつるんでいたから選手が自由に選べなかっただけの話。
自分で作った制限を自分で取り払っただけ。
それが悪かったとは言わないが、今回の言い方は明らかにおかしい。
さらに「自由選択するということなので、終わった後に水着のことで(選手に)言い訳をさせません」と語気を強めた…なんて、 言わなきゃ良いのに。
記者もその滑稽さに呆れたのか単に「語った」とはせず「語気を強めた」なんて入れている。
この競泳委員長、どれだけ高いところからものの言える人なのだろう。
次に北島選手であるが「泳ぐのは僕だ」と言うのは本心としては分かる。
しかし、北島選手はスポーツ選手であるとともに、経済人でもある。
ミズノ社との契約があるのならば、それは守らなくてはならない。その契約内容は分からないが、「泳ぐのは僕だ」というTシャツを着て登場して競合会社の水着で泳ぐのは、恐らく駄目だろう。
今回ミズノは大人の対応をしたという記事もあったが、北島選手は明らかに子供の対応だ。
北島選手のスポーツ選手としての「泳ぐのは僕だ」という主張のみを競技会の場で行ったが、経済人としての「契約に従う責任」について言及していないのはバランスを欠く。
「泳ぐのは僕だ」というのはアマチュアリズムの下であればそれだけで正当性を持つ。しかし実質プロ化した今、それだけでは説明責任を果たしたとは言えまい。
ミズノ社は北島選手が最良の結果を得るためにボランティアをしているのではなかろう。
契約相手が、自社の宣伝を放棄するだけではなく、競合他社の宣伝まがいのことまでするのを許すミズノ社は「大人の対応」をしたのではなく、理屈が分からない子供が相手では話ができなかったというだけではないのか。
もし、オリンピックまでにミズノ社がスピード社を上回る驚異的水着を開発し、北島選手には提供しないと言ったら、北島選手はどのような反応をするのだろう。
ミズノ社にはそれを狙っていただきたい。
これについても上野委員長は「各選手には担当のコーチがいるので、コーチが間に入るべきだ」と主張したらしい。
コーチは代理人か?コーチにそんなこと押しつけるのは無理だろう。
水泳コーチは契約事務にも明るいのか?
あり得ない。
こんなことを言う、上野委員長は万能の人なのだろう。万能感だけの人でないことを祈る。
最後にスピード社であるが、確信犯ではなかろうか。
ミズノ社とは一年前に契約が切れたらしい(ミズノ社から切ったらしいが)。
それが契約が切れ、しかもオリンピック直前に新水着を出す。
世界中で大騒ぎ。
自社では何も宣伝しなくとも、水泳大会がある度に報道される。
一体この新水着、いつ開発されたのだろう。
北京オリンピックに向けたプロモーション計画に日本水連と選手、ライバル企業はまんまと乗せられたということだろう。
黒船は現れる側はタイミングを選べるが迎える側は選べない。
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